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雪の夜

雪の夜が好きだ。

雪はしんしんとつもる。静かにつもる。
その様子を僕はじっとみつめている。

「明日はつもるだろうか・・・」

不安と期待の入り交じった奇妙な緊張感で、
床に入ってからもなかなか寝つけない。

窓の外の雪の気配を感じながら、
布団の中でじっと息をこらしていると、
次第に外気の静寂が部屋の中へと侵入してくる。
ますます目が冴えてくる・・・。

たまらずに起き上がって、
窓の外を見つめながら、ついため息をついてしまう。
そのまましばらく呆然と時間をつぶした後で
もう一度布団に入り直して、眠ろうとするのだけど、
やっぱり寝付けない。

何度も起き上がって窓の外を見つめては、
また、ため息をつく・・・。
そんなことを繰り返しているうちに、
いつしか体は深い眠りへと沈んでいく…。

そんなもの憂いひとときを、雪の夜がいざなってくれる。
 
 
(元は高校生の時の文章です。郷里である鳥取県は、東京よりも雪が多かったのです)