奈良&京都の旅2014(その4)

當麻寺の最寄り駅に戻ってきた頃は、もうすっかり日が落ちて暗くなっていました。急いで明日香村へ移動。この日の宿は「民宿 脇本利夫」。飛鳥の民宿のほとんどは、実際の民家を利用させていただいているのです。

今回泊めていただいた脇本さんのお宅には、なんと築250年の母屋がありました。 実際に私たちが泊めていただく部屋は、敷地内の離れにある一軒家。部屋は15畳くらいあったでしょうか。とてもきれいにしてあって、そこらの旅館よりはるかに快適な設備。しかもその日の泊まり客は私たちだけだったので、離れ一軒を貸し切りで使わせていただいたのです。。。

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楽しみにしていた夕飯は、飛鳥名物の「飛鳥鍋」。鶏ガラ出しをベースに牛乳を入れた鍋なのです。ぱっと見は「大丈夫かな...?」と思ってしまいますが(笑)、牛乳の臭みはまったくなくて、後味あっさりでとても美味しい。 飛鳥時代に唐から来た僧侶が、寒さをしのぐためにヤギの乳で鍋料理を作ったのが始まりとされるいるそうです。確かに、食べているうちにポカポカと体が暖まってきます。飛鳥鍋の作り方は、各家庭やお店によって多少違うらしく、また他のお店でも食べてみたいと思う程、美味しい鍋料理でしたよ。

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奈良と言えば、やっぱり春鹿! 部屋に戻ってから、春鹿の濁りでちょっとだけ晩酌♪

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脇本邸は、「民宿」という言葉が不釣り合いに思わずにいられない、本当に立派なお屋敷。母屋で食事させていただくのですが、家の中には貴重な書画や骨董品がたくさん。。歴史を感じる、素晴しい古民家でした。

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とっても心地よく過ごさせていただいて、朝・夕二食付きで一泊6,000円という安さ(飛鳥の民宿はどこでも共通の料金)。しかも高松塚古墳に近く、天武・持統天皇陵のすぐ隣りという素晴しい立地。

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上左の写真は、脇本邸を外の通りから眺めたところ。右は「天武・持統天皇陵」。

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「天武・持統天皇陵」は、めずらしく被葬者が確定している古墳。天武天皇とその皇后・持統天皇が合葬されています。

持統天皇は自分の子・草壁皇子に皇位継承させようとし、人望厚く才知の秀でた大津皇子を陰謀により失脚させます。計画通り、草壁皇子は皇太子となりますが、皇位を継承する前に20代半ばの若さで他界してしまいます。一方、謀反を企てたと罪を着せられ処刑された大津皇子は、その後、當麻の二上山に葬られるのです。前日に見たあの二上山に、その大津皇子が眠っているのだと思うと、なんだか感慨深い気持ちになりました。いつか二上山にも登ってみなければ。。