■2002年1月30日（水）

今日はJPCの定例セミナー。今回のテーマは『電子送稿を見据えた各社の動きを斬る』となっていて、富士ゼロックスと日本ヒューレットパッカートから、それぞれプレゼンテーターを招いての内容だった。基本的にはリモートプルーフとカラーマネージメントの現状と課題についての話題が中心となった。インクジェットまたはカラーレーザーのプリンターを利用しての遠隔地をつないだ校正のやり取りが、もうすでに技術的には実用の段階に来ていることを確認し合った。もちろん問題がないわけではない。RGBからCMYK変換方式の問題、デバイスを安定させるためのキャリブレーション技術の問題、ソフトウェア・ハードウェア双方の管理・運用の問題、カラープロファイル作成の前提となる基準の制定の問題などなど。いろいろ難しい問題がたくさんあるけれど、まずカラーマネジメントというものの基本的な概念について、業界全体での認識のズレをできるだけ解消していくことが一番大事なこととなるのだろう。 皆の真剣な雰囲気にとても場が盛り上がって、企業としてはかなりシビアな話、絶対オフレコと前もっての話なども飛び出して、とても興味深く面白い話がたくさん聞けた。こういう場に集まるのはこの業界の将来を本当に真剣に考えている人達だと思うし、実際かなり濃い個性の感じられる人達ばかりで、とてもいい雰囲気だった。でもせいぜい5〜60人程度の出席者。私はそういう場に立ち会えて嬉しいのだけど、こんな状況で大丈夫なのだろうかと心配にもなってくる。この業界の未来を担ってるのは、本当に極少数の人達なのかもしれない。

■2002年1月28日（月）

私の大好きなミュージシャンの一人、上野洋子さんのアルバムに、度々作詞家として参加している工藤順子という人のことが、ずっと前から気になっていた。他にどんな活動をしているのか私は全然知らなくて、情報がもっと欲しくって、今日何気なくインターネットの検索にかけてみた。以前検索した時には何も引っ掛からなかったのだけど、今回は思いがけずたくさんの情報を得ることができた。2年前に出ていたアルバムのことも知ることができ、さっそく注文を出した。 そのリンクをたどるうちに、河井英里のオフィシャルサイトにも出会うことができた。河井英里は「ワーズワースの冒険」のテーマ曲を歌ってた人で、私ははじめてその声を聞いた時からのファンだった。そして更にそのリンクから「ワーズワースの冒険＆庭」のファンサイトや大島ミチルのオフィシャルサイトを発見したりもした。そしてそして、工藤順子は河井英里のアルバムにも作詞提供をしてたことや、上野洋子が参加しているバンドのライブに、先日河井英里がゲスト出演したことを知ってとても驚いた。そしてそしてそして、上野洋子はAYUOさんと友達で3月にはジョイントライブをする。そのAYUOさんのオフィシャルサイトのリニューアルデザインを、今自分が手掛けている---！ 自分の好きな人達が、みんなつながっていたことを知って、そしてそのほんの端っこに自分もつながっていたと感じられて、なんだかとてもうれしい。インターネットの世界は、やっぱりスゴイと思う。

■2002年1月25日（金）

曙橋を歩いていたら、とても美味しそうなケーキ屋さんを発見。ウインドウ越しに覗くとクッキーや焼き菓子もたくさん並んでいて、つい誘惑に負けてお店に入った。とても丁寧につくってあるのが見ただけでわかって嬉しくて、あれもこれも食べたくなって、気がつくと両手いっぱいのお菓子をレジのお姉さんに渡してしまった。さて勘定してみると…急に気分が沈んでしまうほどの金額…。見栄えも立派だけど、値段も立派だった。う〜ん、これじゃ私の三日分の食費に匹敵するな。 明日朝のコーヒーの楽しみにとっておこうかと思ったけど、我慢しきれず一個だけ食べてみた。美味しい！どうやら有名なお店だったようだ。堀江 新というシェフの「ラ・ヴィ・ドゥース」というお店。やっぱりもう一個食べとこう。

■2002年1月24日（木）

私が私であるためには、やっぱり絵を描き続けることが大事なんだなって思った。生活の手段は何だっていい。何かに寄りかかったりしなければ、誰からも文句を言われることはないだろう。ただ道理として間違ったことには絶対に加担したくない。とにかく自分がこれまで大事にしてきたことに、これからはまっすぐ向き合っていきたい。やりたいことは、ずいぶん前からはっきりしてるのだから。

■2002年1月23日（水）

少しつかれが溜まってきたので、今日は早めに仕事を切り上げて気分転換に映画を観た。劇場でではなく、自宅のDVDで。ドイツの新人監督ファイト・ヘルマーの『ツバル』という作品。昨年劇場で公開した時は見逃してしまったのだけど、とても私好みの内容だったのでずっと観るのを楽しみにしていた。 晩ゴハン食べて、くつろいだ気分で何気なく見始めたのだけど‥‥すぐに作品世界に引き込まれて見入ってしまった。ちょっとびっくりするくらい素晴らしい映画。もっとイメージに流れたスタイリッシュな作品かと思っていたら、ストーリーもとてもしっかりしていた。テーマにもあったかみがあって、私はいたく感動した。ラストシーンでは思わず泣けてしまうほど‥。こういういい映画に出会えると、とても気持ちがあったかくなる。映画っていいな。やっぱり。

■2002年1月22日（火）

「結果がすべてではない、その過程こそが大事なのだ」と、自信をもって語る人達がいる。本当にそうだろうか？すべて結果が大事だ、と私は思う。途中どんなにがんばったって、結果が悪ければ話にならない。途中何があったって、結果さえ良ければたいていのことはうまくいく。途中の過程によってその結果が判断されるわけじゃない。実際に目に見える形になってはじめて、その途中の過程も評価されるものなのだと思う。 良くも悪くもとにかく結果を出し続けなければ、人はつながらない。その先の世界に進めない。

■2002年1月21日（月）

今日は一件大事な打ち合わせに出掛けた。朝早めに起きて、打ち合わせのための準備にバタバタと忙しかった。資料を用意したり、下調べしたり。ちょっと緊張しながらこういう作業をするのは、大変だけれどなんだか楽しい。打ち合わせで人に会うのも楽しい。人がつくったデータの不具合を修正してあげるのも、結構好きな作業だ。 印刷の仕事をしていると、ある程度のプロフェッショナルな領分を自分の中に感じることができる。今はそのことが自分の気持ちを支えてくれている。絵を描くことよりも。

■2002年1月20日（日）

私は自分で絵を描くわりに、あまり人の絵を見ることに熱心でない。今どんな絵が流行りで、どんな人が活躍してるのかまるで知らない。でもたまには最近の状況も見ておかなくちゃと思い直して、私の描くようなタイプの絵がたくさん載ってる雑誌を買ってみた。 雑誌をめくりながら思ったこと---。当たり前のことなんだけど、プロのイラストレーター達はみんなうまいなぁと痛切に感じた。非常に繊細で丁寧な仕事をしている絵が多くなった。アクリル絵の具の使い勝手が良くなったおかげもあるんだろうか。部分的にCGの処理を施して仕上げたものもたくさん見かける。絵を描く人達のテクニックは、平均としては間違いなく向上していると思う。 これだけたくさんの優れたイラストレーターが溢れている中で、人の目にとまる絵を残すことは容易なことではないだろう。ちょっと上手いぐらいでは、誰の関心も集まらないし、すぐに忘れらてしまう。あきらかに、イラストレーターの数は今や過剰なのだ。こんな状況の中では、自分が絵を描き続けることの意味がだんだんわからなくなってくる。 私は絵を描くこと事体を、そんなに楽しいと感じない。自分なりのテーマが見いだせないと、まったく描く気にもならない。仕事は雑だし、仕上げるペースも極端に遅い。自分は絵を描く上で、プロフェッショナルとは言えないと思う。 イラストレーター達の絵がたくさん載ってる本は好きじゃない。見てるとだんだん憂鬱になってくるから。

■2002年1月18日（金）

ここんところ続いていた仕事にやっと一通りメドが立って、今日は少しダラダラ過ごしてしまった。休日との境がはっきりしない毎日が続くと、どこかで息抜きしてバランス取らないとつらくなってくる。もっと大変な思いをして仕事してる人達がたくさんいるのだから、そんなことも言ってられないのだけど。 また営業活動しなければと思っていたら、会社いた時のお客さんからWebの仕事の話をいただいた。とても大事にしていたお客さんだったので、また一緒に仕事できることがとてもうれしい。会社としての看板を掲げていなくったって、こうして仕事のリクエスト出してくださる方々がいてくれる。売り上げが立つことよりも、人から信頼してもらえることが何よりうれしく感じられる。お金の問題じゃない。 自分が役立てることなら、何だってやっていきたい。印刷の仕事も、イラストも、デザインも、看板も、Webも、パソコンのレッスンも。それにしても、私はいったい何屋さんなんだろうか…!?

■2002年1月15日（火）

今日は一日、とにかく歩き回った。校正のやり取りと印刷の手配で、工場とお客さんのところを行ったり来たり。朝10時に家を出て、中野駅までバス代をケチってトコトコ歩いた。中野からJRと地下鉄を乗り継いでまずは赤坂へ。そのあと銀座を回って四谷二丁目のお客さんのところに行き、中途半端な距離だったので西武新宿までをまた徒歩で移動した。いったん自宅に戻って印刷の手配をしてから、夕方になって今度は白山へ。後楽園の地下鉄の駅まで歩いて、大久保のグローブ座でお客さんと待ち合わせ。途中、地下鉄の乗り継ぎを間違えて時間に遅れてしまい、最後は汗かきながら走った。 自宅に戻ったらもう足がぐったり。制作の仕事が溜まってるけど、今日は８時で店仕舞い。つかれたな。何もかもがうまくいくはずはなく、トラブルがあったり、失敗したり、怒られたり、仕事してればいろんなことがある。でも好きでやってることなんだから誰にも文句は言えない。ひとつひとつのハードルを乗り越えて、自分の居場所をしっかり築いていくしかないのだろう。あぁ、それにしても車一台あったらなぁ。

■2002年1月12日（土）

今週はずっと忙しかったから、今日はちょと息抜き。久しぶりにホームページの更新してから、大久保の韓国料理のお店でちょっと遅めの晩ゴハンを食べた。友人の案内で行ったお店がとても美味しいお店で、他にもお勧めのお店をいくつか教えてもらった。前に友人達と大久保に来た時はまったく検討がつかず困ったことがあったけど、これでもう大丈夫!? また一人でもぶらっと来てみようかな。 一人で仕事してると、たまに人と会ってゆっくり話する時間が本当に大事だなぁと思う。美味しいものも大事。

■2002年1月11日（金）

怒濤の一週間だった。つかれた…。ひっくり返りそうなくらい。世間では明日から三連休なんだな。でも仕事たくさん残ってるな。一日くらい休もうかな。とりあえず今日は寝よう。おやすみ。

■2002年1月10日（木）

今日も一日ずっと大変だった。食事する暇もないくらい。デザイナーがつくったデータを、出力できるようにたくさん手直ししてやっと製版に持っていった。ぐったり疲れて帰ってきたのは、もう９時過ぎ。やっとゴハンが食べられると思ったら、また急ぎの仕事のデータがメールに送られていた。データをチェックしてみたら、またこれも手を入れなくちゃいけない。うー…。 どうしていつもイラストの締め切りの前になると、いろんな仕事が立て込むのだろう。また今回も徹夜だな。でもその前にまずはビール飲んで、仮眠とって、それから仕事しよっと。

■2002年1月9日（水）

どうして私は印刷の仕事が好きなのか、今日は仕事しながらずっとぼんやり考えていた。きっと私は印刷という仕事を通じて、その複雑で手のかかる工程を通じて、人と接するのが好きなんだと思う。以前身近な人から「あなたは営業向きだ」と言われたことがある。そんなはずはない、営業なんて大嫌いだとその時思ったけれど、最近は自分でも納得するようになってきた。「営業」というものを「人のつながりをつくり出す仕事」だとするならば、それもまた楽しい職分だと思うから。 印刷の仕事で一番大事なのは、やっぱり「人」だ。どれほど高い技術を誇っていたって、どんな立派な設備を持っていたって、それだけで印刷会社としての良い評価は得られない。「良い印刷」とは、その品質で決まるのではなく、発注する側と受ける側とが互いに気持ちのいいやり取りができたかどうかで判断されるのだと思う。広くて堅い人の信頼関係と、より良いものをつくろうとする情熱---この二つこそが、この仕事を続けていくために求められる条件だと思う。 しばらくは自分の絵よりも、印刷の仕事に比重を置こうと思っている。一人でも多くの方に「お願いして良かった」「またこの次も宜しく」と言ってもらえるようがんばりたい。

■2002年1月8日（火）

今週はとても忙しい。朝起きてまず、お客さまに持っていくための束見本（印刷前の用紙でのサンプル）をつくる。大きな紙一枚から長い定規を使って丁寧に仕上げていく。こういう作業は手間がかかるけど私はとても好きだ。自分は今ものをつくっているんだなぁという実感が湧いてくる。こういう手順をひとつひとつ積み重ねて、実際の印刷物が形になっていく。その過程は何度経験しても、ゾクゾクするほど楽しい。 それにしても、私はどうしてこんなにも印刷の仕事が好きなんだろう。こんなに楽しみながらお金ももらえるのなら、それは私にとって仕事というより道楽に近い気がする。この道ではけっして儲かりはしないのだから、どうせなら好きなことをして暮していたい。

■2002年1月6日（日）

最近はDVDに夢中だ。先日も友人と渋谷のタイ料理のお店で食べて飲んだ後、HMV（夜11時まで営業してる！）のDVDの売場に行った。とても充実した品揃えでかなりマイナーな作品も揃っていて、タイトルを見てるだけでとても嬉しくなってくる。あれこれ映画の話で盛り上がっているうちに、気がつくと5本もソフトを買い込んでしまった…。酔っぱらっていたとはいえ、ちょっと調子に乗り過ぎた。軽くなった財布を手にして、翌朝ひどく反省した。 この日買ったソフトのタイトル------------- ファィト・フェルマー監督『ツバル』 ルイ・マル監督『ブラック・ムーン』 ギャスパー・ノエ監督『カノン』 ティム・バートン監督『猿の惑星』 アン・リー監督『グリーン・デスティニー』 私は映画の好みに節操がない。少し頭の悪そうな映画も、かなりイカレた前衛的な映画も、とにかく想像力豊かな感性が感じられるものならなんでも好きだ。まだまだ欲しいソフトがたくさんあるけど…、しばらくは売場に寄りつかないようにしよう。

■2002年1月3日（木）

大晦日から今日までの四日間を、葉山の知人の家で過ごした。今年は帰省もせず自宅でのんびり過ごすつもりでいたのだけど、招いてくださったので遠慮なく出向いて行った。美味しいものをたくさん食べて、たくさん飲んで、親しい人達とたくさん話をした。思いがけずとても賑やかで楽しいお正月を迎えることができた。 元旦の朝。犬の散歩をしながら、葉山の海岸を一人でしばらくぼーっと過ごした。とても風が強く波が高かったけど、空は心地よく澄みきっていた。静かに澄み渡る空と、荒々しく打ち寄せる波の景色がとてもアンバランスで面白く、飽くことなくずっと見つめていた。私が乗ろうとする船は、激しい波間を漕ぎ行くことができるんだろうか。そしていつか澄んだ青空に突き抜けていくことができるんだろうか…。 新しい一年が始まる。去年あったいろんなことはもう整理して、新しい気持ちでこれからの仕事に臨みたい。この一年は私にとってとても大事な時になるだろう。大袈裟に気負いたくはないのだけど、やはり自分の人生の中での正念場だと思う。自分に何ができるのか、どこまでやれるのか問い詰めながら、これからの一日一日を大事にしていきたい。 明日からさっそく仕事だ。遊び過ぎた後でまた仕事のペースを取り戻すのはつらいのだけど、正直なところ少し楽しみな気もしている。会社にいる時は毎年の仕事始めがとても嫌だったのに、今は仕事をするのがなんだか嬉しい。自分に求められる仕事があるというだけで、それは本当に幸せなことだと思うから。