道草の手帳

･･･Note･･･
日々の生活の中で思いついたことなどを、自分自身の覚え書きとして気ままに
つづっています。あくまで個人的なものなので、他人が読んで面白いものでは
ないと思いますが、関心を持ってくださる方はどうぞおつきあいください。　

■2002年4月27日（土）　

体調がいまいち。目が不自由だと何をする元気も出ない。だいぶ腫れもひいたのであとちょっとの辛抱かな。連休明けまでやらないといけないことが溜まってしまった。がんばってもうまくいかないことがたくさんある。でも時々のちょっとしたうれしいことで、またがんばろうって気持ちになれる。

■2002年4月25日（木）　

右目が痛い。ゴミが入ったのか、バイ菌が入ったのか、朝起きたら右目が赤くなっていた。そのうち治るだろうと思っていたのに、ますますひどくなってきた。でも医者に行ってる暇がない。打ち合わせに出かけないといけなくて、片目つむって歩いてたら、駅の改札機に右手を思いっきりぶつけてしまった。今度は拳の部分が赤く腫れてきた。踏んだり蹴ったり。やらないといけないことがたくさんあるのに、どうしてこんな面倒なことが起きるのか。なんなんだろう。いったい。

■2002年4月23日（火）　

今日も一日大変だった。朝の4時から夜の10時までず～っと仕事した。急ぎの手配の仕事があって、家を出たり入ったりで忙しかった。ぐったり疲れて帰ってきたのに、うたた寝して2時間ほど眠ったらもう目が覚めてしまった。今のうちにしっかり眠っておきたいのに、ちゃんと寝床で寝ようと思うと眠れない。
ここんところ印刷の手配と打ち合わせのスケジュールに追われて、デザインの仕事が全然できていない。イラストやデザインの仕事を抱えている時はいつも、余計な用件が立て込んできて集中できない。明日は一日家にこもって制作の仕事に集中しよう。あぁ、でも夜は後輩が出演するライブがあるんだった。早く寝て、朝から仕事しなければ。

■2002年4月22日（月）　

日曜の午後からずっと仕事して、朝方に一時間だけ寝て、午前中にお客さんのところ行って打ち合わせ。お昼過ぎに戻ってきて食事して寝て、夕方から仕事して9時の約束でまた打ち合わせ。戻ってきたらもう11時だ。このあとも朝までやらないといけないことがたくさんある。明日は午後一でお客さんのところいかないといけない。こんなにがんばってるのに、仕事が全然片付かない。いつでもどこでも寝られる技を身につけないと体がもたないな。
毎日大変だけど、私のお客さんたちはいい人ばかり。私のことを信頼してくれるから、私も精いっぱいそれに答えていきたいと思う。いい仕事をしてあの人達が喜んでくれるのなら、私もうれしい。

■2002年4月21日（日）　

昨日はAYUOさんと向井千恵さんが共演するライブに行ってきた。会場は法政大学の学生会館大ホール。「打鈍」と称したプロジェクトユニットとしての出演。非常に内容の濃い、そして質の高いインプロビゼーションの演奏だった。私が学生の時からライブに通った二人が、同じ舞台に立っているのを見ているだけで感激せずにいられなかったし、メンバー達のコンビネーションとパフォーマンスが素晴らしかった。今回は私がお手伝いすることはなかったので、一人のお客として目いっぱい楽しませてもらった。
最近は週末の度に、何かしらライブの予定が入る。行きたいと思う映画や展覧会もあるのだけど、好きなミュージシャン達のライブでスケジュールが埋まってしまう。次の週末にも、とても楽しみにしているイベントがある。今私が一番好きなミュージシャンのライブ。そのことを考えただけで、なんだか気持ちがそわそわするようだ。好きなものにはいつだって、自分の関心のかなりの比重をそこに置いてしまう。

■2002年4月19日（金）　

ここんところずっと、やることが多くって余裕がない。昨日も少ししか寝られず、取り急ぎの仕事を片付けてから、午後はプレミアムグッズ関係の展示会に行ってきた。いろいろと見積りを出さないといけないものを抱えているので、ちょうどいい機会と思って時間をかけて見て回った。なかなか面白い情報を集めることができたし、おつきあいできそうな業者さんも何社かみつかった。たくさん成果があって楽しかったのだけど、ひたすら会場を歩き回ってとにかく疲れた。
その後も休む暇なく乗り次の駅を走ったりしながら、青山のお客さんの所へ。映画のフライヤー制作の打ち合わせ。今回はポスターやプレスリリースのデザインもやらせてもらえるらしい。とてもうれしいのだけど、ちょっと緊張する。まずは急いでビジュアルの案をつくらないといけない。印刷の手配の仕事も溜まっているのに、本当にできるんだろうか。しばらくは大変な毎日になりそう。

■2002年4月17日（水）　

夜中になって、近所のラーメン屋さんに遅い晩ご飯を食べに行った。そしたら、見るからに脂ぎった中年サラリーマンの隣の席に座らされた。ギトギトのラーメンにコテコテの油っぽい炒め物を並べて、下品な音をさせながらガツガツ食べていた。私のもっとも苦手なタイプの人間。どんなにお金を積まれたって、こういう人種に囲まれた環境では、絶対に仕事していたくないなって思う。できることなら、日常のどんな場面でも関わり合いたくない。
私には彼らがいったいどうしてあんなに「ガツガツ」してるのかがわからない。「ガツガツ」する理由なんて本当はなくって、ただ「ガツガツ」していたいだけなんじゃないのって思ってしまう。みんながもう少しゆったりと、しなやかに生きていられる世界にならないものだろうか。

■2002年4月16日（火）　

今日は、新規のお客さんの打ち合わせが入ったりしたので、一日とても忙しかった。朝方寝床に入って3時間程寝て、10時には家を出た。それから本郷、秋葉原、飯田橋、銀座、江戸川橋と回ってきたら、家に戻ったのは夕方6時。たくさん歩いてクタクタになった。もうここでエネルギー切れ。少し食べて一眠りして、テレビのニュースを見たりしていたら、もう一日の日付けが変わってしまっている。さて、これからもうひとがんばりしないと。机に向かってやる仕事がたくさん残ってる。
なんだか急に大変になってきた。でもとても充実している。

■2002年4月15日（月）　

今日突然、大学時代のゼミの友人がメールをくれた。卒業してから連絡とっていなかったので、かれこれ10年ぶりとかになるんだろうか。なつかしくって、うれしくって、いろんな想いが込み上げてきた。大学時代の忘れられない仲間たち。みんな一癖も二癖もある、おもしろい連中だった。就職してバラバラになって、結婚して名前が変わったりしていても、またみんなで集まったら、あの頃のままのバカな議論で盛り上がりそう。
手紙の整理をしてたら私が昔送った絵はがきが出てきて、ふと思いついてネットで検索かけたら私のサイトに辿り着いたのだそうだ。私の絵はがきを今も大事に持ってくれてたなんて、なんだかとてもうれしい。こんな形でも、自分の絵が世界のどこかに残ったりするんだなって思った。そのことにもちょっと感激した。

怠惰で筆無精な私は、古い友人達と疎遠になってしまうことが多い。忘れたりしてたわけでなくっても、その時大事だと思う用件で忙しくしてるうちに、いつの間にか連絡をとるタイミングをなくしてしまう。とてもお世話になった人でさえ、今までたくさん不義理を重ねてしまった。きっと「なんて軽薄で礼節をわきまえない人間」と思われてるに違いない。でもこんな私であっても、時々突然思い出して連絡くれる友人達がいてくれる。「今もちゃんと絵を描いてるのか」と問うてくれて、あたたかい励ましの言葉を寄せてくれたりする。そんな友人達の存在に、私は感謝せずにいられない。
昔の友人たちに「ずいぶん落ちぶれたね」なんて言われないよう、がんばらなきゃ。

■2002年4月14日（日）　

とてもうれしいことの後で、急にすごく嫌なことがあったり、ひどくつらいことの後に、ちょっとだけいいことがあったり。ずっとその繰り返し。生きてるんだから当たり前かな。良いことも悪いこともたくさんあるけれど、しっかり前を向いて歩いていきたいと思う。
最近はいろんなことがちょっっとづつ、良い方向につながってきた気がする。自分一人が意固地になったところで、何かが変わるわけじゃない。目の前にあることひとつひとつに、ちゃんと向き合っていくことで、その先の世界が広がっていくのだろう。

■2002年4月11日（木）　

定期のイラストの仕事がやっと終った。2点描いたのだけど、今回も当日になってバタバタ仕上げた。自分の最短記録をまた更新した気がする。でも今回時間をかけなかった割に、自分では案外気に入ったものに仕上った。担当のデザイナーさんに先日あった折、「テーマにこだわらず自由に描いていい」という了解をもらったので、気が楽になったのかもしれない。そしてそれ以上に、最近自分の中で何かが変わってきた気がする。
ここしばらくの間ライブのお手伝いに通って、優れたミュージシャン達と身近に接することができて、たくさん刺激を受けた。あんなにも素敵な人達と出会えて、私ももっともっとがんばらなければと切に思った。今のままじゃ、全然だめだ。いつかあの人たちに対しても、自分のやっていることを胸を張って言えるようになりたい。

■2002年4月10日（水）　

忙しくしてる時に限って、新しい仕事の話が次々と舞い込んでくる。なんだか急に大変になってきた。でもうれしい。
前にやった仕事が次の新しい仕事へと結びつくと、あの時一生懸命やって良かったなって実感できる。ひとつひとつのことを精いっぱい、真面目に取り組んでいれば、ちゃんと評価してくれる人達がいてくれる。そのことがうれしい。

■2002年4月9日（火）　

昨日も今日も徹夜が続く。ここんところ同時進行している案件がたくさんあって、手いっぱいになってきた。人から相談を受けてることやお願い事も溜まってきた。人の間に立って配慮しないといけなかったりで、どうにも頭が回りきらない。毎日毎日、考えないといけないことがたくさんある。
私は物事を整理して順序立てて考えることができないから、複数のことを同時にこなすのが苦手だ。一つのことに集中すると、もう他のことが見えなくなってしまう。自分にとって大事だと思っていたことも、後回しにしてるうちにみんな忘れてしまう。今は目先のことで頭がいっぱい。先のことまで考えられない。

■2002年4月7日（日）　

今日でAYUOさんのライブイベント『月の女神祭』が幕を閉じた。この一月の間に6回のライブがあって、その間私もスタッフとしてお手伝いさせていただいた。スタッフと言っても名前だけで、会場でのCD販売を手伝う程度のはずだったのだけど、回を追う毎にだんだんやることも増えてきてしまった。演奏中に神経を使う場面も多くなって、一日が終ると結構ぐったり疲れたり…。今日で一段落して、なんだかとてもほっとしている。
少し大変なこともあったけど、今はもう幸せな気分で胸がいっぱいだ。ちょっと浮かれ過ぎなくらい。毎回とても素晴らしいライブを楽しむことができたし、かねてから思い焦がれていたミュージシャン達と身近に接することができた。会場でたくさんの人達と新しく知り合うことができ、たくさんの楽しい話を聞くことができた。こうやってまた人の輪が広がっていくことに自分も関れたことが、私にとっては何よりうれしい体験だった。

私は昨年会社を辞めてフリーになって本当に良かったと、今しみじみ感じている。今回の一連のライブに関れたことと、昨年坂口尚さんの本作れたこと、その二つの成果があっただけでも、私は自分のあの時の判断が正しかったんだって思える。会社にいたとしたら、こんなことに関わる気持ちの余裕も、その時間も、絶対持てなかったはずだから。おかげで心にたくさんの栄養をもらえた気がする。反比例して懐はとっても寂しくなったけど…、それはこれからがんばろう。
明日は大事な仕事の打ち合わせ。どんな話になるかわからないけど、とにかく自分のできる限りのことをやっていきたい気持ちでいる。また大変な日々が始まるのかな。

■2002年4月3日（水）　

パレスチナの情勢のことが、ニュースを見ながらとても気にかかる。このまま諸国間の利害を調整し合っていたら、とんでもない歴史的な悲劇へと発展しかねない。アメリカの対応には怒りさえ感じてしまう。アフガンでの軍事行動のために「テロの側につくか、我々アメリカの側につくか」などと、恐ろしく安易な図式を描いてみせたりするから、イスラエルもアラブ世界への報復を正当化したりするのだ。当事国がいかなる権利を掲げようとも、軍事行動を認める論理は成り立たない。テロも軍事行動も、罪のない市民が殺されていくことに違いはないのだから。

軽率で罪深い人達の発言のせいで、最近ますますイスラム社会への風当たりが厳しくなっていることが悲しい。世間では間違った思い込みが広がっているけれど、イスラムという宗教にテロを生み出す素地があったわけではない。彼らの教義は正義と平等を大事にするもので、異教徒に対しても非常に寛容だ。イスラム王朝統治下でのエルサレムでは、各宗教が共存できるシステムが出来上がっていた。それに対して排他的で理不尽な仕打ちを繰り返したのは、いつだって西洋諸国の側だった。
宗教や民族や価値観の違いは、私たちの間に絶えまなく小さな諍いを引き起こすけれど、無差別大量の殺りくを導いたりはしない。本当に恐ろしいには、「国」という幻想なのだと思う。私たちはいつの間にかそこに胡座をかいて生きてしまっている。でも少なくとも20世紀になってからの世界大戦、民族・地域紛争、宗教対立すべての根底にあったのは、西洋近代が生み出したこの「悪しきナショナリズム」だったと言い切れるんじゃないだろうか。
西洋近代国家型のナショナリズムというシステムに、大きな欠陥があったことは疑いないし、今日では既に破綻に近い状況になっていると思う。もうみんな気づいているはずなのに、そこから抜け出す勇気を持てないのは、どうしてなんだろう…。

■2002年4月2日（火）　

近頃は完全に昼夜の生活が逆転してしまった。昼間仕事しようと思っても、まったく集中できないし、アイディアも浮かばない。一日なんとなくだらだらしてしまって、夜中になると頭が冴えてくる。最近は明け方の方がもっと気分がいい。そして普通の人達が仕事を始める時間になると急に眠気に襲われる。耐えられず布団に入って寝ようと思うと、電話がかかってきたり宅急便の届け物があったりして起こされてしまう。そんなだからたくさん寝たつもりでも、なんとなく眠気が抜けない。だらだらしてるうちに夜中になって・・・その繰り返し。こまったものだ。

■2002年4月1日（月）　

先週末、吉祥寺で友人たち大勢と花見を楽しんだ。皆と別れた後、せっかく吉祥寺に来たんだからと思って、昔住んでいたアパートの近所にあった馴染みの飲み屋さんに顔を出してみた。そのお店に行ったのはもう7年ぶりくらい。カウンターだけの小さなお店で、とても気概のいいママさん（おばあさん）がひとりでやっている。本当にひさしぶりだったのだけど、ママさんも常連のお客さんも私のことを覚えていてくれて、お店に入った途端皆が大きな声を上げて喜んでくれた。

そのお店によく通ったのは、私がまだ大学生だった頃のこと。大学の先生に連れられて行ったのが最初で、その後は一人でときどきぶらっと寄ったりしていた。私が顔を出すと、お店の人達はいつも喜んでくれた。まるっきりオジサンの隠れ家のような赤提灯のお店に、学生が一人でやってくるのが珍しかったんだと思う。常連の客達は、ちょっと変わった経歴の人が多くって、お酒を交わしながらいろんな話題で議論するのが楽しかった。ちょっと調子に乗り過ぎて、生意気なことを言って怒られたりしたこともあったけど。
ある時、お店の人達に私の絵を見てもらう機会があって、そしたら皆がとてもいい絵だと誉めてくれた。それからは皆がいつも私に「絵は描いてるか？」と声をかけてくれるようになった。しばらくの間、壁に絵はがきを飾ってくれてたこともあって、いろんな興味深い批評をしてくれたり、感動したと涙ぐんでくれた人もいた。あのお店の人達が、いつも私をあたたかく迎えてくれて励ましてくれたのが、今でも忘れられない想い出になっている。

あれからずいぶん時間が過ぎた。私は今日で35歳になった。いろんなことが、あの頃とは変わってしまった。自分の内側も外側も、自分の周りの世界も。でもけっして変わっていないことだってたくさんある。あのお店は、あの人達は、あの頃のまま何も変わっていなかった。あの時とまったく同じ調子で、「絵は描いてるか？」って皆が声をかけてくれた。そのことが、なんだかたまらなくうれしかった。この人達のためにも、私はがんばって絵を描き続けていこうって思った。大事なことを確認できた気がする。