道草の手帳

･･･Note･･･
日々の生活の中で思いついたことなどを、自分自身の覚え書きとして気ままに
つづっています。あくまで個人的なものなので、他人が読んで面白いものでは
ないと思いますが、関心を持ってくださる方はどうぞおつきあいください。　

■2002年5月23日（木）　

今日は一日家にこもって制作の仕事をした。朝から12時間まったく休まず食事もせずに、パソコンに向き合って仕事した。それでも結局一つの仕事しか終らなくって、もう一つの仕事はお客さんにごめんなさいを言って、明日まで延ばしてもらった。まだまったく先が見えない。少し休んだら、また仕事しなければ…。
一日誰とも話をしなくても私は全然平気なのだけど、一日外出しないで部屋で仕事してると、ひどく気がめいる。もう少しバランスよく仕事が動いてくれればいいのに。

■2002年5月22日（水）　

最近は、打ち合わせや納品で外に出ることが多い。多い時には5件くらい回ったり、外を回ってから家で仕事して、また出掛けて帰ってきて仕事をしたりの慌ただしい毎日。たくさん歩くことにはもう慣れたけど、毎日の交通費がバカにならない。時間がない時にはタクシーを使ってしまうことも多くなった。仕事に伴う経費なのだから仕方ないのだけど、こんなに経費ばかり使っていたら採算が合うはずがない…。仕事というより、人助けばかりに奔走してる気がする。

■2002年5月21日（火）　

先週末を葉山の知人の家で、一人のんびりと過ごした。家主がカンヌ映画祭に出席してる間、家の留守番を頼まれていたので。仕事が溜まっいて遊んでる場合ではなかったのだけど、どうしてもの思いで出掛けていった。ここんところひどく疲れが溜まっていたし、パソコンもFAXもないところで、一人になりたかった。
何をするわけでもなく、寝っ転がったり、音楽を聞いたりしながら、だらだらと一日を過ごした。途中で放っていた『センセイの鞄』を読み終えて、少ししんみりと物思いに耽ったり、普段考えない余計なことを、あれこれ考えたりもした。
求めても届かないものには、最初から手を出さない。あるいは、けっして届かないと気づいた時点であきらめる---その見極めをしていくことが大事なんだろうな。そういう判断の技術を身につけることが、分別ある大人になるための必要な条件なんだと思う。私にはなかなか真似できないことだけど。
いつまでも、美しいものに憧れる気持ちを大事にしていたい。途方もない夢を見ていたいし、心ときめく場面を大事にしていたい。そういうものを見失ってしまったら、私もただのおっさんになってしまう。それはやっぱり嫌なんだな。

■2002年5月14日（火）　

ここんところずっと仕事が立て込んでいて、余裕がない。毎日めいっぱい働いてるつもりなのに、ちっとも仕事が片付かない。仕事以外にも気を煩わされることが多くって、精神的にも余裕がない。なかなか前に進めない。
最近、何故だか嫌な夢をたくさん見る。寝てる間に肩が凝るくらい嫌な夢。自分にとっての嫌な夢のレパートリーって、こんなにたくさんあったのかと感心してしまうほど、いろんな場面の夢を見る。ずいぶん昔の場面を見ることが多い。何かがずっと心に引っ掛かってる気がする。

■2002年5月8日（水）　

最近、川上弘美の『センセイの鞄』という本を読んでいる。とてもいい本だ。読んでると、胸がキュンと切なくなる。
私はこの人のことを名前しか知らなくった。今まで読んだことなかったし、まったく関心もなかった。本屋でぶらぶらと物色してるうちに、その装丁にふと目が止まっただけのことだった。シンプルだけど、とても気のきいたデザイン。いい紙を使ってあって、感触がやわらかく、手にしっくりとおさまる感じがする。職業柄、こういう本を見かけると触らずにはいられないのだ。そんなことがきっかけだったのだけど、私にとっては思いがけない発見だった。この人の本は、言葉がとても美しい。ときどき、ドキッとするほど感性をくすぐられる。こんなに面白い作家が現役でちゃんと活躍してたんだな。しばらくは、この人の本を読んでいよう。