道草の手帳

･･･Note･･･
日々の生活の中で思いついたことなどを、自分自身の覚え書きとして気ままに
つづっています。あくまで個人的なものなので、他人が読んで面白いものでは
ないと思いますが、関心を持ってくださる方はどうぞおつきあいください。　

■2002年7月31日（水）　

ずっと関わっていた仕事がやっとひとつ片付いた。でも先週突発で入ってきた仕事が手こずっていて、かなり厳しい状況。前から予定していた仕事も3本入って来た。もう身動きできないくらい、手いっぱいになってしまった。
今週になってからは日中食事する暇もない。一日中電話とFAXと携帯電話に追い掛けられる。校正を送るのにバイク便を呼んだり、お客さんからのバイク便の原稿を待ったりで、少しの外出もままならない。今日は夜になってからお客さんの所に打ち合わせに出掛けて、その帰りにスーパーで何か買っていこうと思ったら、閉店前の惣菜売り場は見事に何もなく、仕方なくどうでもいいようなおかず少しとかんぴょう巻きを買って帰った。夜中にパソコンに向き合って仕事しながらかんぴょう巻を食べてたら、なんだかたまらなく虚しい気分になった。
かんぴょう巻って、どうしてこんなにも人をわびしい気分にさせるんだろう・・・。

■2002年7月27日（土）　

今日は銀座の画廊へ行ってきた。5月のデザインフェスタの時に知り合った、平岡サトコという作家の個展が開催されていたので。私はその人の銅版画が気に入っていたのだけど、今回はクレヨンを使った作品を中心に展示していて、それらの作品も素晴らしい内容だった。まだとても若いのに、非常に優れた才能を開花させている。作品から放たれるエネルギーのようなものを感じたし、ひさしぶりに強く刺激を受けた。私もまたちゃんと絵に向き合っていきたいという気持ちになった。無理をしてでも時間を作って、足を運んで良かったと思う。

■2002年7月26日（金）　

最近はなぜだか、ずっとご無沙汰してた人、懐かしい人から、突然連絡が入ることが多い。ちょっと不思議なくらいに、最近そういう機会が続いている。今までも何度かこういうことがあった。たいていいつも、ひどく忙しくしてる時だった。
日常的な仕事に埋没してしまって、どんよりとした気分の時には、人との交際の範囲がどんどん狭くなっていく。自分自身が弱っていて、実際人と会う意欲もなくなっているんだと思う。一方で、何か新しいことを始めたり、大きな仕事に没頭して走り回っていると、そこからいろんなものが生まれたり、つながってきたりする。そういう時の気分の高揚が、何かしらの気配となって、人の気持ちをつないだりするのだろうか。
あまり霊感じみたものを信じる習慣はないが、人の気持ちをつなぐ回路というか信号のようなものが、きっとあるんだろうなって思う。

■2002年7月22日（月）　

昨日は1時間半づつ、2回睡眠をとって朝まで仕事。今日も仮眠をとってこれから朝まで仕事。とりあえず1時間半寝れば目が覚めるし、なんとか体が動く。ただ、だんだん思考力が低下してくる・・・。さすがに連チャンはきつい。でもこれからしばらく、こんなペースの繰り返しになりそうだ。体、もつんだろうか。

こんな大変な時に、ちょっとした不注意で眼鏡をなくしてしまった。私は近視よりも乱視が強いので、眼鏡をかけなくても日常生活に不自由することはない。でも視界の焦点が合わなくて、周りがぼやっとして見える。今日も夕方から打ち合わせであちこち歩き回ったのだけど、寝不足のせいと視界がぼやけるのとで、なんだかフワフワと地に足がつかない感じがした。人と向き合っても、なんとなくいつもと違って見えて、不思議な感じ。レンズというフィルタを通さずに人の顔を見るのは、なんだかひさしぶりな気がして、少し照れくさい気分になってくる。そんなことで気後れを感じる年頃ではないのだけど。
バカな感慨に浸ってばかりもいられない。だんだん頭の芯が痛くなってきた。はやく新しいのを作りに行きたいけれど、その時間がない。困ったな。2週間くらいは我慢できるかな。

■2002年7月15日（月）　

なんだか急にまたいろんな仕事が重なってきて、めいっぱいになってきた。頭の中が整理つかなくて、わけがわからなくなってきた。ひと区切りついたら必ずやろうと思っていたことが、また先延ばしになってしまう。自分ではいつも精いっぱいのことをしているつもりなんだけど…。なかなかうまくいかないなぁ。

■2002年7月14日（日）　

今日は一日中、ひとりでパンフレットのセット作業の内職をした。もうひたすら単調な作業の繰り返しで、体も気分もぐったり…。絵描きとしての仕事をしたり、印刷の職人になりきったり、営業マンとしての振る舞いをしたり、荷作りや内職までやったりして、自分の持てる限りのチャンネルをめいっぱい使って、日々の仕事をこなしている。こういうことを、まさに自転車操業というのだろう…。意地をはって一人で仕事を続けていくと決めたんだから、とにかくがんばってペダルを漕ぎ続けるしかない。でも荷を分け合える人がいてくれたらいいなって、近頃は切実に思ったりもした。
毎日大変なことは多いけれど、自分のやったことを人が喜んでくれる姿に接した時、この仕事をやっていて良かったなって感じることができる。その先にある何かへ、心ときめく気持ち大事にしていけたなら、ひとつひとつ坂を越えていけるかな。

■2002年7月13日（土）　

週末に仕事の関係で父が上京していたので、どうにか都合をつけて会いに行ってきた。兄の家族達、甥っ子や、姪っ子も一緒に、みんなで食事して楽しい時間を持つことができた。こんな忙しい時に上京してこなくてもいいのに…なんて、親不孝なことを思ったりしてしまったけれど、おかげでいい息抜きができた気がする。

昨日は『フローズン・ビーチ』の初日の公演を観に行ってきた。先日納めたパンフレットが、実際に売られている光景を見て、なんだかたまらなく嬉しい気持ちが込み上げてきた。ショップでは書籍やビデオ、Tシャツなどのグッズが所狭しと並べられていて、たくさんの人だかりだった。ファンの人達の熱心なまなざしを見て、人気の高い劇団であることをあらためて実感したりした。パンフレットは予定通りの売れ行きになっているだろうかと、余計な心配までしてしまったり…。苦労して仕上げたパンフレットがこの場にあることを確認できて、自分の責任を果たせたようで、とてもホッとした。
とはいえ、安心してもいられない。まだセット作業が終っていないのだ…。

■2002年7月8日（月）　

演劇のパンフレットの納品がいよいよ大詰め。仕上ってきた冊子とブックケースを、ひとつひとつチェックしながら全部セットしていかないといけない。とても大変な作業なのに、その段取りが充分でないことを当日になってやっと気づく始末。本当にもう、詰めが甘いというか、状況の判断が悪すぎるというか……こんなデタラメな自分に、自分でもあきれずにいられない…。でも友人二人が手伝いに来てくれて、今日一日でどうにか3分の1くらいの量をセットし終えることができた。彼らのがんばりに、感謝！感謝！

前に務めた会社では、あまりにも嫌なことが続いて、もう二度と人と一緒に仕事はしないと、そう心に決めた。会社であろうと少人数のグループであろうと、かならず諍いや軋轢が生まれる。それは本当につまらないことがきっかけになることが多い。誰かが真剣に考え真面目に行動した結果が、実際は周りの多くの人を不愉快にさせることだってあるし、誰かの思慮のない言動が簡単に人の支持を集めてしまったりもする。そんなことに気持ちを振り回される毎日は、もううんざりだと思った。誰かに寄り掛かったりしなければ、誰からも文句を言われることもないだろう。私は誰とも距離を置いて、自分一人で身の周りの全部をやっていこうと思った。その気持ちが今の自分を支えている。
でも今日、ひさしぶりに人と一緒に仕事をして、その時間はやっぱり楽しいものだなって思った。自分がピンチな状況に助けてくれる仲間達がいて、一緒に仕事をやれるのは本当に嬉しいことだし、幸せなことだ。私は自分の考えに意固地になりすぎてたのかもしれない。ふと、そんな風に思い直したりした。

■2002年7月4日（木）　

ニュース23の特集に、元ちとせが出ていた。インタビューの中で彼女は、「これから十年後、二十年後、自分は変わっていくだろうし、それは当然なことであって、声が枯れたって、唄い方が変わったって、それもやっぱり自分の唄であることに違いはないし、自分であることにも変わりはない」---そう力強く語っていた。奄美の美しい海を背景に、彼女のとても澄んだ目が印象的だった。確かなものを自分の中に持っている人は、本当に美しいなって思った。

■2002年7月3日（水）　

明日が連載のイラストの締切りなので、今日は徹夜。
最近は打ち合わせの時にネクタイをしていく機会が多くなった。昼間はネクタイしてお客さんや下請けさんを回り、戻ってきて少し仮眠をとってから、Tシャツと短パンの格好で机に向かって、朝まで絵の仕事。なんとまぁ面倒な仕事のスタイルを選んでしまったんだろう。

■2002年7月2日（火）　

7月、8月の予定が、今から目いっぱいになってきた。仕事があるのは嬉しいことなのだけど、完全なオーバーワークなりそうで頭が痛い。引き受けてしまって良かったのだろうか。自分にこなしきれるのか自信がない。あぁ、どうしよう…。スケジュール帳を見るのがこわい…。

■2002年7月1日（月）　

土日の二日間、ほとんど病人のように大半の時間を寝て過ごした。でもその間も容赦なく、お客さんから何本か電話がかかってきた。昨日も携帯を見たら、夜中12時過ぎてからお客さんからの着信が1本入ってた。恐ろしい…。また明日からがんばらなければ。
今週は大量の荷物がここに運ばれてくる。ひとつは私が発注を間違えて返品されてくる用紙の山。作業机ができるくらいの量…。もう一つは納品前にセット作業しないといけないパンフレットが3,000冊。どのくらいの量なのか検討もつかない。置き場所あるんだろうか…。
印刷会社というものはどこも荷物が多くって、雑然としているのが当たり前なのだけど、ここも例外に洩れない状況になってきた。この仕事を続けていく以上、いろんなリスクを背負わないといけない。お金も時間もスペースも、やりくりしていくのは本当に大変だ。
それにしても困ったな。部屋を片付けなきゃ。