奈良&京都の旅2014(その1)

2月末に奈良&京都を旅行してきました。毎年この時期に京都に行っているのですが、今回の旅のメインは奈良を回ること。

旅の始まりは、あいにくの雨。早朝の奈良駅に到着し、まず最初に向かったのは唐招提寺でした。なぜか毎回タイミングが合わなくて、唐招提寺を訪れるのは今回がはじめて。

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西の京駅から薬師寺前を通って唐招提寺へと続く道が、拍子抜けする程のどかな風景。そういうところが奈良らしいなぁと、妙な感心をしてしまいます。

通り沿いの民家の瓦の形状が、ちょっと面白い。

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南大門から望む金堂。

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はじめて目にする金堂は、想像していたよりもこじんまりとした大きさ。圧倒されるような壮大さも、華麗さも携えていないのだけれど、じっと向き合っていると愛着が増してきます。押し付けがましさのない、穏やかで気品のある美しさ。

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残念ながら撮影は禁止で写真に収められなかったけど、金堂に収められた3体の仏像は、どれも本当に素晴しい。私が一番感銘受けたの千手観音像。実際に千の手を持つ千手観音像(現存するのは953本)を目の当たりにするのははじめて。その迫力ある存在感に圧倒されました。どっしりとした風貌の盧舎邦仏坐像は、衣の襞の流線が美しい。脱活乾漆造の仏像としては最大のものなんだとか。以前、上野開催された「唐招提寺展」でこの盧舎邦仏に出会っているけれど、やはり美術館で見るのと実際のお堂で見るのとは、感動の度合いが違います。

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唐招提寺の境内は緑が多く、しっとりとした風情に包まれていて、ただ歩いているだけで静かな心持ちになります。

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歴史を感じさせる戒壇と宝塔ですが、鎌倉時代に作り直したものなのだそうです。

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無造作に建ち並んでいる国宝の「宝蔵」。奈良時代に造られた校倉様式の建物。

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鑑真和上の墓所である開山御廟。

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開山御廟へと続く細道には豊かな苔が生い茂っていて、その色鮮やかな緑の絨毯が、ひと際心に残りました。