米子のこと(その2)

父のアトリエです。

以前も文章に書きましたが、私の家には父のアトリエがありました。だからといって、私は使わせてもらったことないし、絵の手ほどきを受けたこともないし、何の恩恵も受けなかったのだけど、自分の家にこんな部屋があるのは、なんとなく気分の良いことでした。このアトリエで、二人でよく絵の話をしました。何時間も話していたら、下の階から母が「いつまでも何やってるの!?もうご飯だから降りて来て!」って大きな声をあげていました。何怒ってるんだろう?って当時は不思議に思ったりしたのですが、今思うと、絵の話に入っていけない母は、ちょっと寂しかったんでしょうね。

自分の家にこんな部屋があって、絵具や画材に触れる環境が身近にあったことが、自分に与えた影響は計り知れないなぁって、あらためてそんな風に感じるのです。