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ある晴れた日に

海を見てきた。

波は低く静かで、海面のあちこちで光がキラキラと輝いていた。空は真っ青に澄み渡り、遠くの山々の雪化粧を鮮やかに写し出していた。鳥たちが気持ち良さそうに風に乗って流れていった。人陰まばらな砂浜を歩きながら、なんとも言えない心持ちになった。

漁港の脇にある小さな小屋の片隅に、野良猫達がたくさん住みついていて、その猫達に友人が餌をやりに行くと言うので、私もついて行った。猫達はなかなかの大所帯で、子猫もたくさん、10匹、20匹と、あちことからどこからともなく集まってきた。紛れもなく野良猫なのだけど、どうやらこの辺の猫達は食べ物が豊富らしく、皆丸々と太っていて優しい顔をしていた。「お前たち野良猫なんだから、もうちょっと厳しさ感じてなきゃダメじゃないか」、なんて、声に出さない声で話し掛けてみたり。

ただ海を見ているだけで、とても穏やかな気持ちになれる。ささいなことに気分を浮き沈みしている自分が、なんだか馬鹿みたいに思えてくる。もっとおおらかな気持ちをもたなければなぁ。

ふとそんなことを感じながら過ごした、平日の朝。
さて仕事に戻らなければ。